説明責任の行き届いた社会を目指して

大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『人も自分も成長できる「教える技術」の鍛え方』読書感想:教える技術の実践例として本書が読者に提供されている。素晴らしい本

樋口裕一先生の『人も自分も成長できる「教える技術」の鍛え方』という本を読了した。ここに、読んでみての感想を書く。

そもそもこれを読み始めた動機が、最近、個別指導塾の講師の仕事を始めて、自分の指導力、ノウハウのなさがわかり始め、指導力アップのために役立つ本を図書館で探していたところ、この本に巡り合ったのである。

全く偶然手に取った本だったが、今の俺のニーズにめっちゃピッタリな、素晴らしい本だった。教える仕事をする人は、本当にこれ、読んだほうが良いっすよ。

人に何かを教えるときに気をつけたほうが良いこと、コツ、みたいなのが、この少々小ぶりな本の中にビシビシ詰まってる。教える技術を、それこそこの本において樋口先生は駆使してみせている。この本そのものが、教える技術の実践例として、読者に提供されている。

例えば、知ってること全てを伝えようとしないように、と樋口先生はおっしゃる。で、そのとおり、この本でも、もっと書きたいことはたくさんありそうなのは明らかだが、わかりやすく、読みやすく、理解しやすいように、内容を取捨選択して、本のボリュームを適度な長さに絞り込んでいるのである。その結果、読者である我々は、基本中の基本を効率的に学ぶことができ、そして、その基礎力を武器に、あとは実践の場に出て、自分に適したさらなるテクニックの習得に励むなり、はたまた、さらに詳しい専門書に進むなり、色々自立的にやっていける。素晴らしい本だ。

いやあ、本当に素晴らしい本だった。

2022/04/25月、2022/04/26火の振り返り:塾に初出勤

一昨日、つまり2022年4月24日の日曜日は、午後にブログをアップしてから、諸々いろんなことをやった。これから塾講師として働くに際しての、仕事で使うメモ帳や個人的に業務を振り返るためのEvernoteシステム構築、また、授業で使うかもしれない教科書や本を手元にかき集めてざっと見渡したり。

で、ジョギングもしたんだったかな。で、寝る。

昨日は、諸々疲れもあってか、また、生来のねぼすけで、やっとこさ遅めに起きる。で、教科書やら本やらを読みながら、夕方からの塾の初出勤に備える。備えながら、この新しい仕事に対してのネガティブな思いも心によぎった。塾講師なんて止めたほうがいいんじゃないか、とか…。だが、時間になり、初めて出勤して、教える仕事をやってみて、うん、非常に充実した。やって、良かった。本当に。

夜の時間帯、塾での出勤が終わり、充分振り返りをして、寝る態勢になったはいいが、やっぱし興奮してたせいか、また、夕食はもちろん仕事後帰宅してからなので、そういうのでも、なかなか寝付けなかった。

で、今日。今日も遅めに起きる。で、ハローワークに用事があったので、行ってきた。ちょうど一番混んでる時間帯に行っちゃったっぽい。で、帰りがけ、早めだが、せっかくここまで来てるのだからと、駅近くのちょっと美味しい店で昼食。

で、地元に帰ってきて、図書館にて、昨日読みかけだった本の続きを読む。今、読み終わったんで、このブログを書きに来た。

この後、歯医者に定期検診に行く予定。そのあとは、教科書を読む作業を再開したいな。明日はもういっちょ、ハローワークに用事。その後はフリー。教科書を読む作業の続きをして、あと、夜は肉じゃがを作る。

柳美里『8月の果て』読書感想:悲しすぎる

このすさまじい小説を、今、読み終わった。

読み切る直前に、腹減ったからと早めの夕食にケバブとか食ったんだけど、後悔してる。この小説の登場人物に失礼だった。

以下、ネタバレご注意ください。

いや、ソウォンが死んだときは、こんな悲惨な話はないと思った。ヒヒャンの「アイゴーッ」は、はっきりと叫び声として俺の頭にも響き渡った。

ところが、ナミコの体験を読み、ああ…これは、ソウォンよりきつい。と、思った。これが戦争というものなんだ、と、思った。

また、かなり最初の方になるが、第四章「アリラン」で、学校での、皇国教育?っていうのか、教育現場での生々しいやり取りも、読んでてキツかった。

この小説に対して、文体だのなんだのと小手先の話をしてもしょうがない。語るべき歴史が語られている。

ナミコの話があまりにも悲惨すぎて。絶句。

カズオ・イシグロ著『浮世の画家』読書感想:戦争前後の変化の客観的な描写が秀逸。何事も挑戦しない人への批判は勇気あるなと思った

カズオ・イシグロの『浮世の画家』を、今、読み終わった。読了直後のタイミングで感想文をしたためておきたく、このブログを書いている。

非常に面白かった。太平洋戦争前後で世の中がどう変わり、人々はその変化の中でどのような紆余曲折を経験したのか、感じられるような気がした。

これが原著は英語なんだなあと思うと、しみじみ考え込んでしまう。日本文化史の最重要ポイントをズバズバ突く内容だと思う。けど、日本語文化圏内での発想法では、こんな本は、出てこなかったんじゃないか。やっぱし、カズオ・イシグロみたいに、日本語文化圏の外に身を置いて、そのために客観的な視点を獲得した人じゃないと、こんな冷静に核心を撃ち抜けないよ。

祖父母を思い浮かべながら、終始、この本を読み進めた。戦争の時代を生き抜いてきた祖父母は、本当に大変だったんだろうなあ、とか、幼い俺を相手する時、心中、祖父母はどんな想いだったのだろうか、とか、ぐるぐる考えた。

このまえ同じ著者の『日の名残り』を読んだときにも感じたことだが、ラストがさりげなくて良い。また、ストーリーの中で、キャラ一人一人への著者の思いやり、愛を感じる。

挑戦しない人へのディスリスペクトのような話が後半に繰り返し出てくるが、これは、そうだなあ、この本を最も特徴づける要素だとは思うんだけど、うーむ。大勝負に出たことがないと自分に引け目を感じてるような人がここらへんを読んだら、ちょっと不愉快な気持ちになるかもね。日本だのイギリスだの関係ない、こういうたぐいの話をザクッと書いたカズオ・イシグロは、少なくとも本物の「作家としての良心」を持ち、その思いを実行に移した作家だろう。万人受けする箇所じゃないんで。

他の最近の著書とかも読んでみたいと強く思った。

柳美里の『ゴールドラッシュ』読書感想:主人公は罪を犯したが、反省し罪を償えば許されるだろう

柳美里の『ゴールドラッシュ』を、今、読み終わった。読了直後のこのタイミングで感想文をしたためておきたく、このブログを書いている。

主人公が、ちゃんと名前があるにも関わらず、小説内で終始「少年」と呼称されるのが特徴的。横浜内外の各所を巡って物語が展開し、そのほとんどを知る俺の心にストーリーの一つ一つが突き刺さった。

大昔に一回読んだはずだが、今回再読してみて、全く完全に忘れてしまっていて、今回はじめて読んだように感じた。読んでよかった。

人を殺すまでの状況説明と、殺した後の心の逡巡の描写は、リアルに感じた。

人は、他の人とのつながりを求めてる。それが諸々の事情で、そう思えないこともある。けど、やっぱり、他の人とのつながりを求めているのは変わらない。

罪とはなんだろう。取り返しのつかないことというのがこの世には確実にあって、許されない罪を俺に対して犯した人は絶対に許さない、また、取り返しのつかないことをしてしまった過去の自分の行為も、永遠に許されることはないのだという考えが、夜、一人でいるとき、何度も俺の頭をよぎる生活を長く続けてきた。しかし、本当にそうなのだろうか。

この少年の心の動きの描写をこの小説で読み進めてみて、確かにこの主人公は罪を犯したが、反省し、服役するなどして罪を償えば、許されて、社会復帰するのが相当だ、と、俺は思う。

許されない罪、という概念が、そもそも、幻影だったかな。

楳図かずお大美術展の感想:作品の質と量がすごかった。ただ漫画『わたしは真悟』を事前に読んでないとキツい

六本木ヒルズの美術館でやってた、「楳図かずお大美術展」に、行ってきた。

連作の絵画が100点くらい並んでた。漫画のように、ストーリーになって、絵が続きものになってた。でも、シチュエーション的にもろに美術館なので、漫画をじっくり読むようにはいかない。だって、他の人もたくさんいる中、絵は一枚しかないから、場所を譲り合わなきゃならないし。だから、漫画を飛ばし読みするようにサーッと見ていった。

楳図かずおの有名な漫画『わたしは真悟』を、知ってますか。俺は読んだことあるんだけど、今回の展覧会の絵のストーリーは、この『わたしは真悟』の続編のようになっており、『わたしは真悟』を読んだことのない人が飛び込んですぐにわかるのは非常に困難だと思う。

俺は、まあ面白かった。また、漫画よりも、絵の一枚一枚に対して手が込んでるように感じた。もう、漫画の一コマというより、やはり、絵画と呼ぶべきだろう。この展覧会の趣旨にも沿う感想になるが、だから、楳図かずおはもうただの漫画家というのからはみ出しちゃってるよね。存在がでかすぎて。

ちょっと暗い部屋があり、その中には原画となった鉛筆画がズラッと並んでた。あれを見て、ああ、楳図かずおは本当にすごい人なんだなと思った。紙と鉛筆だけであんな迫力のある絵をあんなにたくさん書けるなんて。

ショップでは、『わたしは真悟』の、悟と真鈴が東京タワーからヘリに飛び移るシーンの絵葉書と、楳図かずおハウスの形のキーホルダーをお買い上げ。ごちそうさまでした。

まあ、楽しかったです。何しろ作品の熱量がすごい。一枚一枚が気合が入ってて、しかもそれがたくさんたくさんあるのに驚きました。

2022/03/11金の振り返り:夕方に起きた

いやあ、今日は、ひどいものだった。コロナ3回めワクチンの副反応を見越して、予備日に設定してたことが完全に裏目に。なにも予定がなかったもんで、ズルズルと二度寝を繰り返してたら夕方になっちゃった。まあ、ここ最近、目を三角にしてガリガリいろんなことに取り組んだことも多々あったから、ここらで完全オフ、というのも悪くはないのだが。それにしても、とんでもなくだらけてしまった。

夕方からは、なんとか、外出できて、頭もまともに動き出した。で、オンライン英会話のQQ Englishって会社の無料体験がまだ残ってたので、今、今夜レッスンを2コマ予約した。その他、日本人スタッフにいろいろ話を聞けるっていう予約も入ってるんで、今夜は盛りだくさん。そりゃ、夕方まで寝てりゃあ、夜くらい頑張んないと、体力が有り余っちゃって寝付けないからな。

夕食に食べたタイ風グリーンカレーってのが、マジでタイ米使ってたりとか、いろいろと方向性を間違えてて困った。俺は米はやっぱり国産が良い。まあ全部残さず食べたけどね。

そんなこんなな一日でした。明日は、まともに生きたい。