今回の記事では、「高校で理系を志望したものの物理・化学を選択せず化学・生物を選択した人間が、その後、物理学を理解したくなってしまった場合の巻き返しの方法」について、一緒に考えたいと思います。
これは難しいと思うんです。というのは、俺ももろにそうなんですが、もちろん生物学が好きだから化学・生物を選択したわけなんですが、この選択には多分に、物理がわかんなくて嫌い、という動機も働いていると思うんですよね。みなさんは、どうですか。だから、大学に進んで以降、物理を独学でやり直すというのが、本当に困難を極めます。
物理に対してメッチャ抵抗する心をなだめすかしながら、また、大学生活で起こる友人関係トラブルやら家族関係の変化やらに対処しながら、取り組んでいかなきゃなりません。なので、シンプルに考えることすらできない。シンプルに考える、とは、やり直すならまず高校の検定教科書を見てみようか、とか、そういうたぐいのことです。
このブログはほとんど誰も見てませんが、万が一、物理のやり直しに苦戦している化学・生物選択者がこれを読んでいたら、と仮定し、まず、そのような「シンプルなアイディア」を、ここに列挙します。
・高校の検定教科書の『物理基礎』『物理』と、教科書掲載の問題に対する解答が載ってるガイド本を入手。数研出版だったら、「教科書ガイド」ってやつ。で、普通に、教科書を読んで、載ってる問題を解いて、教科書ガイドで答え合わせ。これを、ぐるぐる何周もする。
・NHK高校講座の「物理基礎」っていうテレビ番組を見る。過去の放送をインターネットで見ることができるので、新番組への切替のタイミングにぶつかりさえしなければ、一気に1年分見ることができます。
・高校生・受験生向けの参考書に手を出す。俺がインターネットで得た情報によると、人気の著者は漆原先生、浜島先生、橋元先生、為近先生など。
こんな感じだと思います。俺の場合は、検定教科書は入手済み、で、一応少なくとも1周はしたはず。で、NHK高校講座の「物理基礎」も全部見ました。それから、学参は、俺は漆原先生がわかりやすそうだと思ったんで、参考書を入手して、一応やり通しました。『物理基礎・物理が面白いほどわかる本』ってやつ。力学・熱力学編、電磁気編、波動・原子編の3つがあります。スタディサプリは、俺自身はまだ試してないです。
大人向けの物理の解説書のようなものが、本屋とかに置いてありますが、楽して身に付けられるような生易しい分野ではないと思うんですよ、物理というのは。それが、簡単にお手軽に一冊だけでわかる、というような言い方をしている本は、俺は嫌いです。それより受験生向けの本とか動画とかが、良いと思います。
物理を嫌いになってしまったのには理由があると思います。中学で当たった先生が相性が合わなかった、とか、いろいろつらいこともあっての現状でしょう。しかし、なんとか、嫌がる心をなだめすかし、ストレートに、物理を基礎からマスターしようというスタートラインに、愚直に立つことです。生物学を極めようとする中で、物理学を、生物学の理解のために学び直そう、というモチベーションが生まれるのは本当にごくごく自然なことだと思います。一緒に頑張りましょう。
俺の現状としては、繰り返しになりますが、高校の検定教科書をぐるっと見て、で、漆原先生の『面白いほど』をやった。ここまでです。さらに進展したら、またこのブログで報告します。面白いほどの上のレベルの漆原先生の本としては、『明快解法講座』、『最強の88題』があります。実はもう入手済みです。さらに、浜島先生の『実況中継』、山本義隆先生の『新・物理入門』なども、しばらく前に買っちゃって、本棚に並んでます。これらをきちんとやったら、ゆくゆくは、『ファインマン物理学』をやりたいなあ、と、本気で考えてます。
DNAとか、分子ですからね。物理、量子化学などを理解したくなるのは、生物学をさらに追求しようとしたら、やりたくなるのは当たり前です。
物理の本を書く人って、当然物理が専門だから、生物学畑の住人にフレンドリーな書き方をしないということが、往々にしてあると思います。このブログでは、その問題を少しでもケアできたらいいなあと思うんです。例えば力学に使われる数学の概念一つとっても、そこで前提されている空間はユークリッド空間ですか?とか、生物学的にはかなり大事なことだと思うんですよ。生物の体を力学的に解析しようとした時、生物の体というのはちょっとミクロに見れば細胞で構成されていて、さらにミクロに見れば分子です。限りなく密に詰まった点の集まりではないんです。じゃあ、非ユークリッド空間だとしたら、微積分の計算結果がどう変わってくるのか。そういうことを、最初の最初から考えたいのに、それは専門的すぎるからと、数学科の学生だけが後で専門的にやればいいから、と、扱わない。そんなんじゃあ、生物学を志す人間が満足するわけがない。