説明責任社会を目指して

大昔、生物学者になりたかったアラフォーが、今また再チャレンジ

「春の雪」を読み終えました

三島由紀夫の『豊饒の海』第一巻、「春の雪」を、今、読み終えました。
 
いくつか感想は持ったのですが、読み終えてみると、ちょっと途中で感じた感想はどれも陳腐な気がして、ここに書くのは気がひけるのですが。
 
いや、まず、死を覚悟していたにもかかわらず、文章の美しさに対する気迫がすごいなと。だから、マジ、お金のためじゃないし、生活のためでもないよね。美しい文章を書くのだというそのモチベーションの源泉は、だから、もっと崇高なものであることはもう間違いないわけで。
 
また、そのような意思、意志のピュアさに負けないくらい、実際、文章の細部構造もストーリーの流れも豪華絢爛で美しいと俺は感じます。「大正ロマン」っていう言葉は、いつ頃から登場したんだろ?大正時代にはもちろんそんな言葉は存在するはずはない。てことはだな、太平洋戦争後に、もしや、三島由紀夫豊饒の海によって作り出した概念なんじゃないのかな。大正ロマンっていうのは。
 
あと、登場人物が英語で話すシーンがバンバン出てくる。小説内に英文が混じることは豊饒の海の場合はないんだけど、三島由紀夫本人も英語はペラペラなようだし、俺が思い込んでいた、「英語はある一定ラインを超えると日本語が下手になるのとトレードオフでしか上達できない」という考えは、どうも撤回せざるを得ないようである。外国語に通じ、情報や考え方を吸収しつつ、日本語で世にも美しい物語を紡いでるお手本が三島由紀夫だ。
 
ストーリー一つ一つに説得力が半端ない。すごい本です。みんな、読んだほうがいいよ。豊饒の海。俺はマセマの数学の参考書をやって、あ、こりゃ、日本語ができるならマセマやんなきゃ損だわ、マセマがあることによって日本語は国際語になった、と思ったが、豊饒の海もそれに近い。文字通り命がけで書かれた本です。