説明責任の行き届いた社会を目指して

大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『デイヴィッド・コパフィールド』第1〜8章の感想。多彩な登場人物、主人公の弱い心の描写が秀逸

今は英語をメインで勉強中の大人です。英語で書かれた小説の原文を1ページ分くらい暗記しながら読み進める、という勉強法を実践中。この年末年始でよく考えた結果、四分の一くらいまでこの方法で進めてきた『グレート・ギャツビー』を中断し、新たに『デイヴィッド・コパフィールド』の暗記学習を開始しようという方針と相成りました。

それで、大昔に読んだことはあるけど、今となっては記憶があやふやなので、とりあえずまず日本語の翻訳を通し読みして内容を把握するのが先決、と、岩波文庫版を読み始めてます。岩波文庫版では5分冊に分かれ、必ずしも切りの良いところで分冊が分かれているわけでもなさそうです。なので、全64章ある中の、切りよく第8章までを今読み終わったところで、ここまでの感想文を書いておこうと、このブログを書き始めました。

 

少年時代の辛い体験が描写されており、翻訳を通してでもビンビン伝わってきます。お父さんは生まれる前に亡くなり、若いお母さんが悪い男と再婚し、その新しいお父さんにいびられ…。しかし、つらい話をしてるはずなのに、今こうして今まで読んだところを思い出すと、不思議と美しさを感じます。文章が全体として美文だからかなと思います。文章の内容というか、どういう情景をどのくらいのボリュームで文章にするか、そしてそれらをどう並べていくか、文章内容の展開の仕方において、著者のディケンズの腕が冴え渡っている。

 

ペゴティーの弟さんの優しさには、特に胸を打たれました。

メル先生の顛末にも、非常に感銘を受けました。

登場人物が本当に多彩で、その一人ひとりが独自の個性を持ち、様々な言動に及びます。

 

また、主人公の心の細やかな動き、未熟な精神が陥りやすい過ちを犯す瞬間をこれでもかこれでもかと正面から描ききるディケンズは、人生に対して誠実な作家だと思います。今、第8章まで読みましたが、この先、だんだん主人公は小説の中でちょっとずつ成長していくのかな、と、さらに読み進めるのが今から楽しみです。