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大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『実用数学技能検定 要点整理 数学検定3級』(丸善出版)読書感想

数学検定って、皆さんご存知ですか。英語検定よりは知名度は落ちるけど、数学力の検定試験で、昔からあるやつなんです。俺、今、塾講師(もうすぐ2年目)で、都合上、数学検定3級(中3相当)受験の支援をすることになり。それでこのブログタイトルの『要点整理』っていう、まあ定番の数学検定対策書を入手して自分で解ききってみたのが、今さっき終わりました。で、このブログ記事を書いてるとこっす。
 
落ち着いた、良い参考書でしたね。数学の参考書って、得てして、問題への解説が簡略すぎて、頑張って解いてみて、わかんなくて、解答見たけどやっぱりわかんねえ、あー数学嫌い!ってなりがちだと思うんだけど、要点整理は、たくさん、たっくさん解説があって。問題の配置の仕方も、まず基本事項の説明があった後に、基本問題→応用問題→発展問題→練習問題、と並ぶ。
 
ただこれ、教科書や他の参考書なども併用すれば、もっと万全だろう。因数分解とか、要点整理の短い解説だけ読んでパッとわかれば大したもんで、すぐにはわかんないから、教科書とか各種参考書みたいな本が存在するわけでね。正直、俺も実は、要点整理と一緒に、つい最近読んだ東京書籍の中3の検定教科書と、『教科書ぴったりトレーニング』っていう教科書準拠問題集を、並行して復習しながら、要点整理を読み進めていきました。そんくらいやらないと、要点整理を使ってどう学習指導を展開していくかの具体的にイメージできない。今さっき、因数分解について触れたけど、例えば因数分解なら因数分解の、ドリルの量が、要点整理だけではやはりやや不足かなと。ので、授業で因数分解やる時、サブ的な宿題とかで、問題集の問題を活用したくなる局面もあるだろうと俺は事前予想している。
 
プラスなことも言おうかな。いや、この要点整理に載ってる問題、繰り返し解いて練習するに足る、良問ばっかり。と俺は感じた。ホント、数検のためだけに、直前期にパーッと解いて、数検終わったらほっぽりだす、みたいな使い方ではもったいない。
 
俺は、自分のことを言うと、大学で数学と物理がわかんなくて挫折を経験してるんだけど。日本の数学教育は、大学以降は大っきらい。が、高校までの日本の数学教育は、まああんまり他を知らないけどさ、本当に素晴らしいと思うよ。世界トップなんじゃないかな。わかりやすくて、優しくて。古くは江戸時代の藩校とかからそうなのかな、色んな人が色んなアプローチで数学教育に貢献してきてんじゃない?数学検定に携わる人も、素晴らしい方々ばっかりなんだろうなと俺は強く推定する。これから、要点整理のような素晴らしい本を教材に学習指導をする、つまり数検のスタッフさんたちと場外コラボすることになるわけだが、全くもって、襟を正さなきゃ。マジで光栄。
 
あと、そうだな、具体的な内容についてもうひと言くらい。いや、代数みたいんと、図形分野は、まあ予想通りな内容。でも、統計分野が、案外、案外結構分量が多かったと俺は感じた。いや、それでいいと思いますよ。統計って、数学の中の社会科、みたいなところが、あるじゃないですか。ヒストグラムの作成とか、これ、平面図形の証明のような、ギリシャ的な、それ自体が趣味の延長で快楽の追求みたいな色彩と、だいぶ異なる。なんでヒストグラムを作るかって言えば、官公庁や会社の総務とかの仕事で使って、みんなにわかりやすくデータを公表するため。ってのが、いわゆる数学得意な子、みたいな層が、ちょっと手こずるかもね、このデータの扱い方みたいな分野を。そこらへん、ま、要点整理の限られた紙面ではなかなか難しいとは思うんだけど、ひと言、なんかガイドラインみたいな説明書きがあっても良いんちゃうの?などと、思いましたとさ。
 
まあ、要点整理、バランスの取れた、良い数検書でした。