数研出版の数学の検定教科書、『新編 数学II』を、読み終わった。その感想を書く。
これを読む前に、数学I、数学Aのも読んだんだけど、ちょっと俺がなめてて、教科書中の練習問題をまともに解かずに読み進めてた。が、それじゃあダメだと、この数学IIから、2000円以上する「教科書ガイド」ってのを入手して、練習問題の解答をチェックしながらじっくり読んでいった。そしたら、こんなに時間がかかっちゃった。前回ブログ上げたときから10日間も経っちゃった。
いや、良かったっすね。てか、俺も夜中にふとYouTubeで検索とかして、遅まきながら知ったのだが、教科書って言っても色々あって、数研出版だけでも6種類くらいあったんよ。で、俺は、執筆陣にずらりと東大の先生が並んでるやつをあえて敬遠して、執筆陣のバラエティが富んでるやつを狙って、この「新編数学」に決めたっていう経緯がある。ところが、この6種類ってのが、難易度別にも対応してたっぽい。それを、やっと数日前になんとなく知った。で、じゃあ、この新編数学がどんくらいのレベルなのかっつーと、真ん中辺りらしい。でもでも、それだけじゃなく、俺が自分で実際読んでみての印象として、俺の狙いもまずまず満たしてるよこれ、とは、思うけどね。単元ごとの説明のまとめ方がシャープで、解説が変に細かいところまでは深入りせず、また、章ごとの扉のページで、例えば、指数・対数の章の扉にはネイピアの人物紹介がしてあった。スコットランドの貴族で、星学のために対数表を作った、などという豆知識は、俺は初めて知ったし、これから指数・対数を学ぶに際してのモチベーションビルドアップとしてこの上なくふさわしいトリビアだと感心したわ。
ああ、あと、数学I、数学Aの感想文ブログでは触れなかったが、インターネットの教材コンテンツも、じっくりと面白い。毎回、チェックしてる。もちろん、この数学IIでも、見た。俺は数学IIでは教科書を読み始める前に全部見ちゃった。映像と音声でも各単元に切り込んでいくっていうのは、なかなかに悪くない。また、ちょっと話は逸れるが、確か、一昔前の数学の教科書って、フルカラーではなかった記憶があるんだけど。上述のネイピアの肖像画や、「図形と方程式」の章扉の、俺の尊敬するデカルトの肖像画などが、きれいな色刷りで見ることができるのは満足度が高いよ。俺は、これだけでも、フルカラー化を支持したい。実際の教科書本文でも、適切に色を使い分けることによって、よりわかりやすくなるっていう効果があると思う。
具体的な内容についても、ひと言あったほうが良いよね。179ページの、微積んとこで、極限の、「hが0に限りなく近づく」とは、「hが0と異なる値を取りながら0に近づく」ということだ、などという解説がある。こういうふうに、平易な言葉遣いを徹底しながら、それでいて、厳密な論理も損なわないよう、気持ちが行き届いてる。こういう姿勢が全体を貫いてる。
変に上段から振り下ろすような書き方が一切なく、記述の行間にフレンドリーさすら感じる。俺は、この教科書が好きです。