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大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『新編 数学III』(数研出版、教科書番号「数III/710」)読書感想

やっとこさ、また一冊教科書を読み終わったので、その感想を書く。読んだのは、『新編 数学III』(数研出版)。あ、I、A、II、Bと順番に読んで感想をアップしてあるので、関心ある方は前のブログ記事をたぐってみてください。

いやあ、難しかった。が、良い教科書だった。他のところでもしばしば目にするパターンだが、高校数学ってのが、高1、高2、高3の内容が、序論、本論、結論のようになっていて。高1は、中学から高校へのスムーズな移行、高2は、メインで頑張って欲しいところ、そして高3は、次の大学数学へのいざない、って感じだと思う。

で、だね、この数学IIIには、だから、大学レベルの要素が一部入り込んできてるんだけど、これが、単に内容面だけのことではなくて、勉強の進め方そのものも、大学レベルへと脱皮していかないと、完全にはこの教科書についていくことはできない。

例えば、なぜdy/dxのdxを、普通の分数の分母みたいに単体でホイホイ移項したりなんだりできるんだ?ってのに、答えが載ってない。ていうか、載せられない。ここらへんに答えるためには、俺もまだよくわかってないんだけど、ペアノの公理ユークリッド空間?なんか、そもそも実数とは、みたいな話をきちんとしないと、本当にはわからないところだと思う。違うかな。

で、そうやって、わかんない箇所が出てきたからといって、そこに、それこそ高2までずっとやってきた数学の勉強のやり方で、わからないところを一人で徹底的に考え続ける、みたいな勉強法に固執しちゃうと、全く、全く進まなくなっちゃうんよ。だから、不親切だよなあ。教科書のまえがきにでも、ひと言、「分からない箇所もあるでしょうが、とにかく全体を通読することが大事です。そして、質問できる相手を自分の責任において探していくというのが大学以降の勉強の仕方なのです。」くらい、書いてくれれば、数学嫌いになっちゃう若い子の多くを救うことになるのに。そういうケアが行き届いてないから、実質、適切な手助けがなければ、とにかく数学が好きっていう特殊な子か、物理が好きで微積を道具として使うモチベーションを持った子、くらいしか、この教科書を好きにはならないだろう。いや、新編数学IIIはよくやってるよ?よくやってるけど、「非常にマシ」ということであって、日本の現在の高3数学教育の根本的な欠陥を克服はできてないということ。

俺は、この教科書を読みながら、あ、ゆくゆく近い未来、金を払って、大学生を家庭教師に頼もう…と、決心した。そう決心したら、やっと、いくぶん、この教科書を読み進めるのが気が楽になったよ。真っ先に聞きたいのは、√1-x2をsinθで置換積分するやつとかかな。全く別物じゃん?なんか、関数として進むスピード?が違う気がするし、なんでこんなメチャクチャな置換をしても正解が出るのか、そこらへんのからくりが知りてえ。だから、ペアノの公理ユークリッド空間、実数論だよ。あー、家庭教師はカネがかかるだろうな。質問しまくるために、準備はガッチガチにやっとかないと、ほんともったいないよな。がんばろっと。

って感じです。

ああ、今回も、『教科書ガイド』にはお世話になりました。まあブーブー言いつつも、俺、高校生じゃないのに、あたかも高校で授業を受けたかのように充実した学びを体験できたのは、この教科書ガイドの力添えが大きい。この新編数学IIIに対応した教科書ガイドは、「学習ブックス」って会社が出してる。なんか、いろんな出版社が、教科書ガイド市場に参入してるみたいだけど。なにしろそれは、良いことです。すべての教科書に、教科書ガイドは、あった方が良い。