説明責任の行き届いた社会を目指して

大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

DNAとはなんぞや。社会との比較もしてみました

この記事では、ATPとDNAの話を、生物学に詳しくない人にもなるべくわかりやすく、お話ししてみたいです。ただの解説ではなく、俺が今あたためている疑問点なども、皆さんと共有したい。
 
まずDNA、ATPとはなんぞやという話からですよね。DNAっていうのは、身体の設計図データが記録されている化学物質です。親と子は、似てますよね。なんで似てるかというと、子供は両親から1セットずつ計2セット、DNAを受け継ぐからです。その設計図に沿って、生命活動が営まれます。具体的には、DNAは4種類のパーツから成り立ってるのですが、その4種類のパーツの並び方は、タンパク質の構成の仕方を指示してるんです。で、いろいろなタンパク質がふさわしいタイミングでふさわしい場所で作られて、筋肉になったり、食べたお米を分解したりします。というからには、DNAというのは全身にくまなく存在していなければならないということになりますが、そのとおり、全身の細胞一つ一つの中に、DNAは全巻ひと揃いずつ格納されていることが、今までの生物学の研究によって確かめられています。
 
すごいですよね。細胞一つ一つの中に、フルセット、入ってるんですよ。一見無駄のようですが。でも、生物学のここが面白いところだと思うんですが、生物はそのような仕組みでできているということはですね、つまり、そのような仕組みは生き残る力が高かったために、他の仕組みを採用した生き物との生存競争に打ち勝ってきたということが推察されるわけなんです。細胞一つ一つの中にDNAが全部入っているという仕組みは、強かった、ということになる。
 
ちょっと、話が長くなりすぎるので、この記事一回分だけでATPまで説明し切るのは俺の力量では手に余りそう。とりあえず、DNAの説明だけに集中します。
 
さて。DNAの話をして、一見無駄なほど、大量なデータが至るところにある、ということを見てきましたが、これ、社会の仕組みも、似たようなところ、ありませんか。政治と経済など。まず、法律ができて、その法律にのっとって経済活動が営まれ、社会が回っていく。逆にまず社会経済活動があって、それに合わせて法律が出来上がっていくのかもしれませんが。何しろは、社会活動全般が法律という文字情報で扱われるというステップがある。それが、生命活動全般がDNAの4種類のパーツの配列情報に変換されるというのと、よく似てる。
 
社会の仕組みを作った人が、生命の仕組みを真似たのだ、という意見をどこかで耳にしましたが、俺はそうは思わない。DNAについて色々わかってくるはるか前、大昔から、そういう社会の仕組みは存在したから。じゃあなんで似てるのか。
 
作り込まれたデータの全体を、みんなが共有して、それにのっとって個別の事態に対応していく、というやり方そのものが、優れているからだと思う。
 
さて、いつか近いうち、今度は「ATP」について解説します。で、DNAとATPの関係について、俺の思うところを書いてみたい。