説明責任の行き届いた社会を目指して

大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『ムツゴロウの青春記』読書感想

『ムツゴロウの青春記』という古い本を手にしているのは、これは叔父からのプレゼントである。父の弟に当たるその人は、俺にも目をかけてくれていて、本やキノコなど、時々、いろいろなものをお送りくださる。

そのような本が、溜まってきていた。確実に俺の世界を広げてくれる本たちなのはわかっていたので、この年末年始に一気に読もうと前々から予定していた。首尾よく諸々のことが片付いたので、予定を前倒しして読書を始め、一冊目に選んだのがこの本だった。

たくさん色んな経験を積んできているムツゴロウさんに、まずは、うらやましいなあと思った。コンプレックス感じちゃうな。けどまあ、読むんじゃなかった、とは思わないけど。頭いい人の青春時代ってこうなんだな、って、勉強になった。

恋愛がな、俺は片思いばっかりなので、ちょっと共感はできなかったな。

中高時代の恩師の先生方のエピソードは、素直に感動できた。素晴らしかったと思う。俺も、一応、今、塾講師をしてて、中高生に影響の大きい立場にある。仕事にますます集中しなきゃ、と思った。が、同時に、自分自身の恋愛やその他経済面などに誠実に真剣に向き合わないと、生徒にまともな指導なんてできないよ、と、自分で自分にツッコミが入る。

ちょっとこの本の感想からは離れるが、なかなか最近ヘビーな生活してて。割とまあ頑張ってる方だとは思うんだけど、そんな中、昔お世話になった肝っ玉お母さんから贈られたお言葉を思い出す。「自分で自分を褒めてあげる」ことが大事やで、と、おっしゃった。頑張った日の夜、一人、このお言葉を思い出し、口に出して、頑張ったね、俺、と、つぶやく。すると、心持ち、何かが優しく溶けていく気がする。

そのように、人が一人ぼっちで居続けるというのは辛く悲しいことなんだ。お互いがお互いをナンバーワンと思い合う関係をこそ、人は本気で追求しなければならない。そのことを、この本は正面切って教えてくれている。良い本なのは間違いない。