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大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』読書感想。あと、武田塾の参考書レビュー動画についてもコメント

『肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編』を読了した。その感想を書く。

いや、素晴らしかった。まあ英語をちゃんと勉強してきたよっていう高校生とかが読むのにちょうどいいレベルかな。本当にゼロからって人には、肘井先生がシリーズで書いてる『~ゼロからの~』っていうのがあるから、肘井先生についていきたいって人はそっちに手を出すのが良いと思います。やっぱりね、例文とか解説とかを読みこなすのに、ちゃんと現在完了形のこととか受身のこととかが、土台がきっちりしてないと、この『~読解のための~』は、読んで、ああ納得、というふうにはならない。

てか、俺もそうなんだけど、この本、武田塾のレビュー動画で知ったんです。武田塾さんのレビュー動画は、大ホームランだよねえ、ってのは、日本の参考書業界ってのが、元々、なんていうか、肥沃な土壌で、たくさん、いい本がひしめき合ってた。そこに、黎明期の価格ドットコムのように、今、現れてるのが、武田塾さんやキャストダイスさんなど。参考書の良書を紹介してほしいっていうニーズに真正面から答えた動画がバンバン上がってて、そりゃ受けるわ。ありがたい話です。

ただね、価格ドットコムも、世の中を変えたまさにその成功のために、今は、往時のような輝きを保ってるとは言い難いというのが正直なところかと。つまり、今後、武田塾さんがどんどん「売れる参考書の決定権者」みたいな立ち位置になっていくとしたら、それによって日本の参考書事情がドッカンドッカン変わってって、場合によっては良い参考書が出にくい環境へと変わっていっちゃうかもしれない。日本全体が。そこらへん、武田塾さんには、成功者について回る、より大きな責任が発生してると思うんで、お一人お一人健康には気をつけていただき、日本の参考書業界をより健全に発展させてくださることを、俺は希望してます。

その上で、また肘井先生の本に話を戻しつつ、話をマッシュアップしていきたい。この『~読解のための~』を一冊読んでみると、これ、塾講師の俺の立場からは、『~ゼロからの~』も、生徒指導に使いたくなってきて、欲しくなってくるし、また、『~読解のための~難関大編』も、興味が湧いてくる。長文本、英作文本も面白そうだ。武田塾の動画の言うことを全部ぜーんぶ鵜呑みにし続けて参考書選びをするよりか、自分の目で読み通した本の、信頼できる先生に、ついていく、という方が、いいんじゃないかと思う。でも、肘井本に出会うには、俺は、やっぱり、武田塾の動画が必要だった…。いやはや、参考書業界は今、本当に激変してってるんだろうな。武田塾の動画で紹介してもらえるかどうかの一点のみを狙って参考書づくりをしてくる人もこれから増えてくるだろうし、いやもうたくさんいるだろうし。そんな中で、良書に出会い、捕まえ、どう自分のものにしていくか。

肘井先生ご自身はどうお考えなのかな、いや、俺も、武田塾の動画のとおりに、大岩先生の『一番はじめの英文法 超基礎文法編』、これはもう読んであったから、で、この大岩本をまず先にやり、で、肘井先生の『~読解のための~』へとつないでく、っていう、だからこれはもう、武田塾が作った参考書のカクテルだよね。その通りにしようとしてた。でも、肘井先生としては、『~ゼロから~』→『~読解のための~』と読み進めていく読者層を大事にしたいところだろう。

まあ、でも、それ言い出したら、いや、肘井先生に一番メリットがあるのは、参考書をきっかけに、スタディサプリの授業を取ってくれる生徒の数が増えることだろうね。だから、どこまで誰についていくか、それを、自己責任で、自分で決断していく力が、今の受験生には問われているんだろう。いやあ、IT社会ですな。厳しい、厳しい。