説明責任の行き届いた社会を目指して

大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

『CROWN English Communication III New Edition』(三省堂の高校英語の検定教科書)読書感想

三省堂の高校英語の検定教科書、『CROWN English Communication III New Edition』を、今、読み終わった。その感想を、ここに書く。

いやあ、ヘビーな読み物だった。読み通すのにメチャ時間かかった。このシリーズの、Iは高1、IIは高2、IIIは高3で使うのだろう。その、高3で使うやつが、今回読んだやつ。

俺の読み方は、こうである。まず、各レッスンにつき、同じ三省堂から出てる完全準拠の英単語集にゆっくり目を通す。それから、これも別売りの朗読CDの音声を聞きながら、本文を読む。今の俺のレベルでは、まず音声流しながら聞いて、それからゆっくり黙読して、で、改めてもう1,2回、朗読CD聞きながら読めば、だいたい大丈夫になる。で、その作業が終わったら、次は、これは自宅でしかできない作業なのだが、朗読CDを流しながら一緒に朗読。これをシャドウイングという。まず本文を読みながらシャドウイング、次に何も見ないで音だけを頼りにシャドウイング、で、ラストにもう1,2回、本文を読みながらシャドウイング。このメニューを、各レッスンごとにこなした。教科書は、Lesson10まであって、さらに末尾に読み物がもう2つ、という構成。だから、このメニューを、12回やったことになる。

Lesson8は、イギリスの有名な生物学者であるリチャード・ドーキンス先生の本をモチーフにした、科学に関する読み物だった。これ、俺、一番難しかった…。文法的にこれでもかこれでもかっていうくらいネジネジ入り組んでて。読んでて、メッチャ実力差のある相手と柔道してるような気持ちだった。毎秒ごとに違う足技をかけられてるような。いや、つまり、それくらい、多彩な文法的装飾が文章全体に散りばめられてる、と言いたいんです。で、そういうのに慣れて平気にならなければ、本当の意味で英語ができるようになったとはいえないんだろう。

他、内容面では、Lesson7なども好き。バイリンガルという状態は、全然特殊なんかじゃない、世界の4分の3?はバイリンガルだ、みたいな話で。考えてみれば、三島由紀夫とかも、ペラペラ英語をしゃべってるのが映像で残ってるし、それでいて『豊饒の海』みたいな傑作を書いちゃってるわけで。「(あるレベル以上に)英語ができるようになる=(ちょっと)日本語が下手になる」と、そういう考え方に傾くこともあった俺。だが、この教科書のLesson7を読んで、また考えが変わった。複数言語を完全に自分のものにすることは、可能だ。今はそう思ってる。

Lesson10には、オバマ大統領が現役だった頃の、広島でのスピーチの原稿がそっくりそのまま載ってる。が、朗読CDにはこのオバマスピーチの音声は入っていない。俺はヒアリングしたりシャドウイングしたりするんで、YouTubeで済ませても良かったんだけど、ジャパンタイムズが出版してる『オバマ大統領広島スピーチ生音声』っていうCD付の本をアマゾンで新品で買った。送料無料で700円。この本、薄いけど、関連する他のスピーチとかも入ってて、和訳を読んだだけだけど、例えば原爆投下数時間後のトルーマン大統領の声明とか、俺は初めて読んだ。

英語の話に戻ると、そうだな、あと、付け加えて言うことは…。ああ、英単語帳が、あと、教科書本文もだけど、いい感じに、同じ単語やフレーズがさり気なく繰り返し出てきて、あ、これこの前勉強したなあ、と思うことがかなりしばしばあった。こういうの、効率重視のよく売れてる英単語帳には期待できないっしょ。繰り返しの中で徐々に単語力をつけさせるっていう教科書作成者のビジョンが見て取れる。

こんなに完成度の高い本なのに、検定教科書の宿命で、数年後には新版が出て、この本は過去の遺物となってしまう。全くもってもったいない話だが、思い立った時に新版が出てれば、その人は新版をやればいいので。ま、俺は、この2018年2月28日文部科学省検定済のやつと心中したわけで。幸せな読書の旅だった。

でもねえ、今まで俺、さんざん英文法を勉強してきたから、なんとかこれ、読み通せた。だから、英文法に自信ない人に、いきなりこれは勧められない。しかも独学ならなおさらだよ。英文の内容がいちいち良いから、それでモチベーションは保てるとは思う。だけど、学校や塾で指導者に疑問を質問できる環境があったほうが、俺は良いと思います。ちなみに俺自身は、まだ一年も経ってないけど、塾講師やってます。これを俺の授業で実際使うとなったら、『予習と復習』っていう、これも三省堂から出てる副読本があるんだけど、それも一緒に使うかもしんない。あと、いきなりクラウンのコミュニケーションに入る前に、東進の大岩先生の文法書とかを挟むかも。

あと、これは英文読解に特化した教科書なんで。これだけやって満足、と、俺世代以上とかは、そうなっちゃうかもしれないけど、それじゃリスニング力とか英作文力とか英会話力は全くつかないと思うんで、それは注意喚起しておきます。東進の安河内先生がよくおっしゃるように、オンライン英会話の無料体験とかをひと通りやってみるとか、英語での発信のトレーニングは是非ともやったほうが良いっす。俺は、ネイティブキャンプ2ヶ月やったことあって、カランメソッドの途中で一旦ギブアップ。今は、英検準1級に再挑戦をS-CBTでやってみようかと検討中。今さっき、この三省堂の教科書を読み終わったんで、次は、英検の過去問の復習とかに取り掛かります、計画に変更がなければ。旺文社の英作文対策本とか面接試験対策とかも、優れてると思う。なので、もう一回。

まあ話を冒頭に戻すと、この『CROWN English Communication III New Edition』、かなり読み応えがあって、面白かった。愛着を感じてます。とりあえず最終のIIIまでが終わったんで、ホッとしてます。