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『LANDMARK English Communication I』(啓林館の高校英語の検定教科書、教科書番号「CI713」)読書感想

啓林館という出版社の、高校英語の検定教科書、『LANDMARK English Communication I』を読み終わった。その感想を、書く。ちなみにこれの教科書番号は、「CI713」。

新課程の高校学習指導要領とかで指定されてるんだろう、この「イングリッシュコミュニケーションI」という科目に対する教科書を、俺は最近かなり読んでいる。この前読んだのは、三省堂のCROWNってやつ。

複数読んでみて、結構被ってるところがあるのにはちょっとびっくりした。手の甲を見せるVサインは侮辱にあたる、など、CROWNで全く同じ話が出てきた記憶があるが、LANDMARKでもこの話が出てきた。

根本的に、この科目は、英語の長文に慣れ親しむこと、っていうのが大事なことで、それに向けて、ふさわしい英文がポンポンと並べて配置してある教科書が作られる。その基本ラインは変わらない。

ただねえ、LANDMARKは、リスニング教材も含まれてるんだけど、そのリスニングの音声を聞くことができないことが多々あったのは残念だ。検定教科書だから、現役の高校生が学校の授業に合わせて聞ければそれで良し、って感じになってて。検定教科書で勉強する人って、もっとたくさん多様に存在するんだから、そういう層にも配慮してほしいよ、全く。まあ、でも、良質な本文が読めて、その朗読音声は少なくとも聞けたんでね、あんまり贅沢も言えない。

結構難しかったが、若干、CROWNよりはほんの少し簡単だったかもしれない。英語のレベルが。

文法事項が巻末にまとめて説明されてるけど、これは、もっと小出しに途中途中で出してくれたほうが良かったかな。多くの高校生は読み飛ばしちゃうでしょ、ここ。だから、学び直しをする人にも大変だろう、この箇所。

話は戻るけど、本文の内容は、ま、面白かったわ。宇宙ステーションにエレベーター、とか、あと、やっぱ戦争の話とか、病院犬の話とか。日本語ではなかなかアクセスしづらい、英語でこそ読みたい英文が、選りすぐってある。その点は、素晴らしい本だ。CROWNは有名な教科書だが、LANDMARKも、なかなかどうして、この点、善戦してて、CROWNにまさるとも劣らない。あー、面白かった。

教科書を読み込まずに、すぐに参考書に手を出すのって、どうなのかなってちょっと思った。執筆陣を見比べても、やっぱし、教科書って、群を抜いて素晴らしいんよ。金も人も手間もかかってる。教科書を心ゆくまで堪能した上で、その上で、参考書もやってみよう、っていうのが、正しい受験生の態度だと思うね。なんか、ラクしてずるく人を出し抜ける秘密の書みたいのが、この世にはあって、そういうのに抜け目なくあやかりたい、っていうひそかな希望を持ってたりすると、参考書地獄にハマっていく。そういうふうにはなってほしくない。教科書をまずはとことんやる。それが難しいなら、教科書を読み込むためと明確に理由を立てて、参考書選びをして、その参考書を片手に教科書にじっくり取り組む。で、教科書の学習がだいたい終わって、物足りなければ、それはまた違う動機なわけだから、そのニーズをまた明確にした上で、その目的達成に必要な参考書を選ぶ。それが、王道というものだろう。こんなに素晴らしい各社の検定教科書を、避けて通るのは、はっきり言って邪道だ。もったいなすぎる。