走れメロスの感想
ドラッカーの『マネジメント』、日経BP版の第1分冊を読み終わっての感想
経営学の名著として名高い、『マネジメント』(ピーター・ドラッカー著)という長い本がある。割と古い本だが、2008年に日経BP社から新訳が出た。その当時からずっと気になっていたのだが、自分のことでテンテコ舞で、着手できず、15年を経てようやく今、読み始めた。
素晴らしい内容で、夢中になっている。日経BP版ではこの本は4分冊に分かれており、その第1分冊を読み終わった。現時点での感想を、ここに書く。
第8章、263ページ目の、目標を定めるべき主要8分野、という、ここが、多分メッチャ有名なんだろうなと思った。すなわち、
・人的資源
・財務資源
・物的資源
・生産性
・社会的責任
・必要利益額
の8つである。ここで「マーケティング」という言葉の意味合いは、俺が勝手に解釈するなら、まあざっくり、顧客ターゲットはどんな人をイメージするのかを主体的に決め、同時に社会のニーズをキャッチして、自分のやってることが、必要な人に必要なモノ・サービスを届ける事になっているかどうかをチェックしたり予想したりする、と、そんな感じの意味かなと。「イノベーション」に関しては、そもそもが、社会とかってのも一定な状態のままでいるわけではないんで、社会のそういう変化の波の中で、継続的に有益なパフォーマンスを上げ続けようとするなら、常に自らをアップデートしていく必要というのが絶対にあるんで。新しいことに打って出る、また、必要なくなった業務は思い切って見切りをつけ、止める。そういうのを、目標に定めて、着実に実行していく必要がある、と、ドラッカーは言ってるんだと思う。
冷静沈着な筆の進み方で、どんなにこれら8つが必要かってのを、順序立てて説得してくれるドラッカー。素晴らしい。てか、一読して終わりじゃない。自分が今やってる仕事に対しても、自分のプライベートな人生そのものに対しても、自分の家族や大切な人との人間関係においても、この8つの分野の目標設定みたいなことを、可能な限り、やっていく必要が、あると、強く感じた。読み飛ばす本じゃなく、活用する本なんだと思う。困ったな、これ、今、図書館のを借りて読んでるけど、アマゾンで古本探すか…。手元に置いときたいな。
ああ、あと、日本を褒めてくれる箇所が随所に出てくる。俺は、読んでて、マジでうれしかった。で、第1分冊の終わり頃に、ドーンと、日本の批判もしてくれる。一連のこういう流れを実際に読んで、気を悪くする日本人ってあんまりいないんじゃないかな。俺は、好き。
とりあえずは、こんなところかな。さあ、残り3冊に取り掛かろう。楽しみ。
『小説読本』(三島由紀夫著)読書感想
中央公論新社から出ている、三島由紀夫著の『小説読本』という本を、読み終わった。その感想を書く。
これを読もうと思ったきっかけは、この一年くらい参加してた、さる読書会があって。次回の読書会の運営を半ば任されたような形になったんで、より良い読書会に向かって、自分をアップグレードさせてくれる本はないかと図書館で書棚を巡ってたら、この本に目が行った。
読みかけて、でも一旦読み通すのを諦めた。ちょっと関心領域からの距離を感じたんで。でも、やっぱり気になって、また借りて、で、今さっき、読み終わったところである。
小説とはなんぞや、みたいな話が主で、で、小説家になるためには何をどうすればいいかみたいな話もちょこっと冒頭とかにあったり。でも、メインは、小説そのものの分析。
三島由紀夫の小説を読んだことがある人じゃないと、充分に楽しめない本だと思う。三島作品の魅力を自分なりにイメージできてないと、その制作裏話だけ聞いても大して面白くもないだろう。
分量的には半分以上を占める、その名も「小説とは何か」っていうのが、これ、三島由紀夫が自衛隊を乗っ取った末に死んでしまう、その直前の時期の雑誌連載だったようだ。三島最後の小説、『豊饒の海』を、俺は読んだことがあって、好きなので、豊饒の海を執筆途中の三島の雑誌連載の文章だあ、と思って、俺は面白く読んだ。
で、と。具体的な内容としては、そうだな。なんか、小説ってのが、スタイルは自由なんだけど、自由であるがゆえに、作家は自己責任で自分のスタイルすなわち文体を生み出さなければ、つじつまの合ったちゃんとした小説を書くことは不可能なのである、と。それが、なんていうか、小説のワナだよね、みたいな話が繰り返し語られていた。自由だからこその苦しみを、作家というものは甘んじて受けなければならない運命だ、みたいな。
ひと言で言えば以上なんだけど、そこはそれ、現代日本に至るまでの歴史的経緯とか、ヨーロッパで発達した文学の考え方そのものについての考察、それがどういう経緯で日本に取り入れられてきたか、などなどが、全方位バランス良く記述されている。ここらへんを、ひと言で要約することは出来ない。ああ、そういえば、この本の最後の方に、文学というのは要約出来ない、みたいな話が出てきて、それ、深く納得した。本来要約できないのが文学なのにも関わらず、忙しい世の中、作家、文学者というのはレッテルを貼られて理解される、つまり要約された形で世間に認知されることになってしまう、それがツラい、って三島由紀夫が書いてるが、ここらへんも、それはそうなんだろうなあと納得した。
そんなところかな。三島由紀夫の文章、難しすぎて時々わかんないんだけどね。本能的に、大事なこと書いてんなってのは感じるから、読み進めちゃうんだけど。俺は、基本、ちょっと背伸びしないと読めない、三島由紀夫の文章は。
肝心の、読書会に向けて何がどう勉強になったかだけど、そうだな、作家側の裏事情がぼんやりとでも想像できるようになった。文章とはなにか、みたいな、かなり基礎の基礎みたいなものは、心に栄養となって入ってったと思うんだけど。あんまし、直接なにか役に立ちましたみたいなトピックは一つも今んとこ思い浮かばない。読書会に向け、粛々と実際的な準備の方をするべきだろう、俺は。
『本気で、地域を変える 地域づくり3.0の発想とマネジメント』読書感想
晃洋書房という出版社の、『本気で、地域を変える 地域づくり3.0の発想とマネジメント』という本を、今、読み終わった。軽く感想文をここに書く。
この本を手に取った動機としては、今俺が所属してるある団体で、割と主体的に参加してたら、代表の人から、もっと色々これからやってくれないかと内々にお話があり。それで、社会活動のノウハウみたいな本を、軽く図書館で探したら、近刊でこの本が目立つようにおいてあった。
読了してみて、なかなか良い本だなというのが率直な感想。かなり実践的。ちょい学者寄りの、それでもモロ実践者が、必要なノウハウを国内外問わず選り抜き、コンパクトなサイズにまとめた、読みやすい本だ。出てくる実例が生々しい。実際に関わった事例がたくさん、ってかほとんどがそうなんじゃないかな。
俺は、地方自治体の役所にこれから勤めるというんでもないし、けど、読んでみてよかった。どこに住んでても地域性ってあるし。また、「地域」というのを、「所属してる文化的な団体一般」と読み替えても全く差し支えない。そういうふうに読める。所属してる人の集まりの中で、既存の文化をどう変えていくか、という話は、非常に普遍性が高い。で、その問題に正面から切り込んで、具体的なアドバイスの形にまで落とし込んでるこの本。なんて言うかな、かなり栄養価が高いって言ったらいいのかな。
ここらへんから、この本を既に読んだ人を意識しながらこのブログ記事を書き進めてく。いや、第5章と第6章だけが特別素晴らしいっては言ってないんで。第1〜4章も素晴らしい。地域を変えるっていうワンテーマを深堀りするにはステップを踏まないといけないんで、このテーマの議論の土俵に上がるために、第1〜4章は的確な記述を提供してくれてる。
その上で、第5,6章的な話をもっともっと学びたい、っていうんであれば、他の本、昔からの定番の教科書とかに、進んでいってもいいんじゃないかな。そういう入口に、この『本気で〜』は、なってくれている。例えば、じゃあドラッカーの『マネジメント』にチャレンジしようか、とか。時間が許せば、俺自身が、これは本気で読もうと思ってるんだけど。
今、パラパラめくって、本の内容を振り返ってみて、ごめん、繰り返しになるけど、ホントに第1〜4章も素晴らしい。これ、この本、例えば役所やNPOとかが、部署を挙げてなにか改革しようとかって時に、全職員に持たせるとか、そういうふうに使えるよ。書き方がわかりやすい。伝わる文章、伝わる図表・写真を駆使してて。事例も、書いてるご本人がほぼ当事者だから説得力ある。
これから何かを変えようという人が、この本を座右に置いて、改革を進めていく。そんな風景が目に浮かびました。
英検準1級(S-CBT)合格しました。
2023年2月25日に受けた英検が、ウェブで成績をチェックしたら、合格してました。
受けたのは、S-CBTっていう形式のやつで、従来型とは特にスピーキング試験のやり方が違います、みたいな話を、3本前のブログ記事にて説明しました。関心のある方は、ご覧ください。
で、成績は、リーディングが、なんと完全に満点。リスニングは、611/750。ライティングが、543/750。そしてスピーキングが527/750でした。
ライティングが、かなり自信があったので、予想よりも出来が悪くてがっかりしました。何でも、あまりにも自信過剰なのは危ういということですね。自分が見えてなかったということだったのでしょう。逆に、リーディングが、41題全てノーミスだったのは自分でも驚きです。
あと、スピーキングが、確信を持って正答した問題の数が非常に少なかったんで、あんまり今回の合格、自信にはつながんないっす。特にリスニングに関しては。
思うに、日本で普通に暮らしてるだけでは、英語のリスニング力は、つかないんじゃないでしょうかね。英語しか話せない人と日常的に接して、その人の言ってることを絶対に理解しないと社会生活が営めないような境遇にある人じゃないと、リスニング力は身につかないんじゃないか…。
とりあえずまあ、今後の方針としては、また英検1級にチャレンジします。それに向け、1級レベルの単語力を身につけるべく、パス単1級の学習をがんばります。さて、どういう結果が出ることやら。