説明責任の行き届いた社会を目指して

大昔、生物学者になりたかった40過ぎが、今また再チャレンジ

01-01 本や映画などの感想

中学校の検定教科書は面白い

ひょんなことから、中学校の検定教科書を集中して読む機会に恵まれている。 塾講師をちょっと始めてて。その塾での仕事の幅を広げるため、中学生の学習指導を総合的にできるように、英数理国社5科目の検定教科書を読む必要に迫られているのだ。 塾では検定教…

『ぼくはディスレクシア』読書感想文:学者が書いた読み書き困難者の本、と片付けないで。生々しい当事者の声が詰まってる

「学習障害」というものについて学びたくなり、図書館で書棚に並んでた本の中で一番わかりやすそうだと手に取ったのが、『ぼくはディスレクシア』だった。 学習障害と言っても色々あり、そのうちの一つ、「読み書き困難を呈するタイプ」を英語で言うとディス…

『教科書ぴったりトレーニング 中学数学1年 東京書籍版』読書感想:教科書と一緒に読み進めることで、数学の実力アップが見込めると思う

東京書籍の中1の数学検定教科書を通読した感想を、別ブログにて書いた。ここでは、この教科書『新しい数学 1』を読む際に、並行して読み進めた、教科書完全準拠の問題集『教科書ぴったりトレーニング』について、書評と言うか、感想を、書いておきたい。 ま…

『新しい数学 1』(東京書籍の中学1年生の数学の検定教科書)読書感想:最高に素晴らしく、もう言うことはほとんどない

一週間前のことだが、表題の通り、中1の数学の検定教科書を読了した。東京書籍のやつで、本の題名は『新しい数学 1』。 読後すぐに感想文ブログを書かなかったのは、新鮮な記憶を失ってしまったんで、残念。しかしまあ、今からでも、書かないよりは書くほう…

『教科書ぴったりトレーニング 中学英語1年 三省堂版』読書感想:教科書での学びの内容を再確認させてくれる

三省堂の英語教科書『NEW CROWN』の中1のやつに対応している準拠問題集、『教科書ぴったりトレーニング』ってのを、今、全体を読み終わった。読んでわかったことを、ここに書き留めて、皆さんの参考になればと。 NEW CROWNも当然一緒に読み進めた。検定教科…

『NEW CROWN 1』(三省堂の中1の英語の検定教科書)読書感想:独習するならこの本単独では厳しいか。あと、対応アプリ「ことまなS」が便利

塾講師の仕事を始めた。 大昔に家庭教師はやったことがあるんだけど、今また教える仕事を始めて、勝手が違うことも多々あり。塾スタッフの一員として、地元の生徒たちの学習サポートをしないと話にならないんで、採用されてる検定教科書を教科書販売所で入手…

『人も自分も成長できる「教える技術」の鍛え方』読書感想:教える技術の実践例として本書が読者に提供されている。素晴らしい本

樋口裕一先生の『人も自分も成長できる「教える技術」の鍛え方』という本を読了した。ここに、読んでみての感想を書く。 そもそもこれを読み始めた動機が、最近、個別指導塾の講師の仕事を始めて、自分の指導力、ノウハウのなさがわかり始め、指導力アップの…

柳美里『8月の果て』読書感想:悲しすぎる

このすさまじい小説を、今、読み終わった。 読み切る直前に、腹減ったからと早めの夕食にケバブとか食ったんだけど、後悔してる。この小説の登場人物に失礼だった。 以下、ネタバレご注意ください。 いや、ソウォンが死んだときは、こんな悲惨な話はないと思…

カズオ・イシグロ著『浮世の画家』読書感想:戦争前後の変化の客観的な描写が秀逸。何事も挑戦しない人への批判は勇気あるなと思った

カズオ・イシグロの『浮世の画家』を、今、読み終わった。読了直後のタイミングで感想文をしたためておきたく、このブログを書いている。 非常に面白かった。太平洋戦争前後で世の中がどう変わり、人々はその変化の中でどのような紆余曲折を経験したのか、感…

柳美里の『ゴールドラッシュ』読書感想:主人公は罪を犯したが、反省し罪を償えば許されるだろう

柳美里の『ゴールドラッシュ』を、今、読み終わった。読了直後のこのタイミングで感想文をしたためておきたく、このブログを書いている。 主人公が、ちゃんと名前があるにも関わらず、小説内で終始「少年」と呼称されるのが特徴的。横浜内外の各所を巡って物…

楳図かずお大美術展の感想:作品の質と量がすごかった。ただ漫画『わたしは真悟』を事前に読んでないとキツい

六本木ヒルズの美術館でやってた、「楳図かずお大美術展」に、行ってきた。 連作の絵画が100点くらい並んでた。漫画のように、ストーリーになって、絵が続きものになってた。でも、シチュエーション的にもろに美術館なので、漫画をじっくり読むようにはいか…

「君が僕の息子について教えてくれたこと」視聴感想:『自閉症の僕が跳びはねる理由』の理解が深まり、良かった。

『自閉症の僕が跳びはねる理由』著者の東田直樹と世界中の読者達の関わりを特集したドキュメンタリービデオ、「君が僕の息子について教えてくれたこと」を見た。 Dailymotionで見ることができた。 『自閉症の~』を先に読んでからこのビデオを見たというパタ…

『続・自閉症の僕が跳びはねる理由』読書感想:著者の成長を感じられて楽しかった

発達障害について知ろうとする中で、『自閉症の僕が跳びはねる理由』に引き続き、『続・自閉症の僕が跳びはねる理由』を、今、読了した。 前著同様、この『続~』も、日本語の良さは際立っている。 文学的?には、前著の方が言葉一つ一つの粒が立ってたという…

『自閉症の僕が跳びはねる理由』読書感想:自閉症当事者によるいわゆる異常行動の解説本。非常に名文。

東田直樹の、『自閉症の僕が跳びはねる理由』を、図書館で借りて、今、読み終わった。直後のこのタイミングで読書感想文をしたためておきたく、今、このブログを書いている。 言語感覚が非常に繊細で、単語一つ一つを使いこなしており、見事な文章だ。こんな…

カズオ・イシグロの『日の名残り』読書感想:品格のある思考と品格のある行動の両立って難しい

カズオ・イシグロの『日の名残り』を、たった今、読み終わった。 読書直後のこのタイミングで感想を書きたく、今これを書いている。 今回読んだ版は「早川書房epi文庫」の割と古い翻訳。 非常に面白かった。 図書館で、カズオ・イシグロの本を一冊読みたくて…

『グレート・ギャツビー』(村上春樹訳)読書感想文

今更だが、今一度『グレート・ギャツビー』の、中央公論新社の村上春樹訳を読み直してみた。 この小説の英語の原文を暗記するという方法で英語の勉強を進めている最中で、一回でも暗記作業を済ませたことのある第3章まではもうさすがに読み直すまでもないと…

『デイヴィッド・コパフィールド』読書感想文。ネタバレ!まだ読んでない人はご注意を

絶版になってる岩波文庫版をAmazonの中古で入手し(割高だったが)、今、最終第5巻を読み終わったところ。読み終わった直後のこのタイミングで感想文をしたためておこうと、マクドナルドに飛び込んだところである。 エミリーの発見とアグネス救出作戦とが立て…

『デイヴィッド・コパフィールド』岩波文庫版第3巻の感想

主人公の恋する相手の女性がどんどん現れ、それぞれ全く違う衝撃的な言動をかましまくる。さすが世界の十大小説に選ばれただけある、登場人物たちのキャラ立ちっぷりは本当にすごいの一言。 大長編あるあるかもしれないが、読んでる最中に、読者である俺の事…

『デイヴィッド・コパフィールド』第9〜20章まで読んでの感想

まず、前回の第8章までの感想文に書きそびれたことから、書こう。母親との関係の描写が非常に丹念だと思った。母として、子供であるデイヴィッドにかけてくれる愛情とともに、女としての人間の本性もすっかり書いてしまってくれている。お母さんの、そういう…

『デイヴィッド・コパフィールド』第1〜8章の感想。多彩な登場人物、主人公の弱い心の描写が秀逸

今は英語をメインで勉強中の大人です。英語で書かれた小説の原文を1ページ分くらい暗記しながら読み進める、という勉強法を実践中。この年末年始でよく考えた結果、四分の一くらいまでこの方法で進めてきた『グレート・ギャツビー』を中断し、新たに『デイヴ…

『古代への情熱』感想。夢のためにがんばりとうとう成功した稀有の人物、シュリーマン

シュリーマンの『古代への情熱』を読み終わった。読んだ直後の状態で、早速感想文をここに書き残す。 語学で食い扶持を稼ぎ、夢である生物学研究へと進んでいきたい、ついては語学の天才であるシュリーマンの本を読み直して、今の自分の語学勉強法にテコ入れ…

『動的平衡3』感想。

読書感想ブログを最近よくアップするが、ここらで、スタイルをもっと考えたほうが良い。酔っ払いのぶつぶつみたいな文章で終わってるようなブログ記事を乱発してしまってる気がする。 少なくとも、何が書いてあるかのざっと紹介くらいは必ず含まれてるように…

『動的平衡ダイアローグ』読書感想

福岡伸一の『動的平衡ダイアローグ』を読了した。感想文をしたためておきたく、このブログ記事を書いている。 これで福岡先生の著書を読むのは4冊目。本当に、先生の幅広い教養と深い思索に裏付けられた、本の内容の広がりには、感嘆する。 ただ、一つ。この…

『動的平衡2』読書感想。

今日(2021/11/26金)、午前中から『動的平衡2』を読み始めて、夕食前のタイミングでなんとか読了できた。 内容は、生物学が好きな人ならグングン読めるだろう。前著『動的平衡』に引き続き、文理問わず各方面に深い教養の根を張る著者の、オリジナリティあふ…

『動的平衡』読書感想

福岡伸一先生の『動的平衡』を、読了した。以下の読書感想文を持って、今日の日記ブログとしたい。 記憶の物質的実体を見つけようとした学者がいた事など、俺はこの本で初めて知った。 生きているとはどういうことか、どうやって学問的にそれをとらえるか、…

ゴッホ展の感想。『悲しむ老人』が俺は一番好きです

友達同士3人で、ゴッホ展に行ってきた。 とても楽しく、展示を見ることができた。このブログ記事で、ゴッホ展の感想を書く。 ゴッホ展専用ウェブサイトをご覧になった方はご存知でしょうが、今回の絵は、有名な一人のゴッホコレクターのコレクションが大半だ…

『ちいろば』読書感想。

聖燈社という出版社から出ている、榎本保郎著『ちいろば』を、地元の図書館には置いてなかったことから、近所の本屋で先日注文してあった。 夕方、その本屋から『ちいろば』が届いたと電話が入り、で、さっき買って。で、先に物理の勉強からやろうと計画して…

『ちいろば先生物語』読書感想。戦争を経て生き方に迷い、そこから立ち直っていく姿に励まされた

たった今、『ちいろば先生物語』を読み終わったところ。 すごい本だった。戦争体験の記述を読んでるときは、こんなつらいすさまじい話、この本のクライマックスはここだなと思いながら読んでたが、どっこい、牧師になってからの生き様も軍隊生活のときと同様…

芝浦と場の「お肉の情報館」を見学してきた

叔父から勧められた本を読み、これはぜひとも芝浦と場に行ってみるべし、と、品川まで足を伸ばした。 順々に説明します。まず、読んだ本は、『いのちの食べ方』(森達也著)。これ、この角川文庫版を読む前に、別で一度読む機会があり、今回は俺にとって再読で…

谷崎潤一郎の『文章読本』の読書感想文:みやびのためにあえて文章をあいまいなままにするべきとは俺は思わない

谷崎潤一郎の『文章読本』を、今、読み終わった。読了直後のこのタイミングで、読書感想文をここに書き残しておきたい。 読みながら、高校時代に古文の授業をよくサボっていたことを後悔した。優美、優雅という要素を谷崎は主張するが、そのみやびとは、日本…